今朝、起きて白湯を飲もうとカップに手を伸ばしたときである。
左腰にビリビリビリと痛みが走り、動けなくなった。
1、2年に1度起きる、例の痛みである。
いやホント、痛くて動けないのだ。
ゆっくりと、ゆっくりと、その場にしゃがみこみ、固まったまま激痛に耐える。
居間に行って横になりたいが、動けない。
早朝の4時30分。
愚妻にSOSを発したいところだが、まだ夢の中だろう。
5時になって、愚妻が今朝は珍しく早起きしてくる。
「ちょっと、何してるのよ」
キッチンにうずくまる私にかけた第一声がこれである。
やさしい女だ。
いつもの痛みであることをつげ、手を借りて居間に横になるが、身体を動かすと激痛が走る。
「どうしょうもないわね。ちょっと、行けるの?」
そうだ。
11時30分から、今日も墓前法要があるのだ。
「行かねばならぬ」
立っていられるか、車の運転はできるか。
ステッキを用意させ、そろりと身体を動かそうとするが、いやはや激痛で「痛テテテテ」である。
出発まで数時間ある。
湿布をベタベタ貼り、肩甲骨の痛みのときに処方してもらった薬を飲み、その場にひたすら固まっていた。
激痛を我慢すれば、ステッキをついて少しなら歩けるようになる。
そんなわけで、ステッキを用意して出かけた次第。
施主に事の次第を説明し、雨の中、ステッキをついて墓前のお勤めであった。
帰宅して原稿を書くつもりであったが、薬の副作用か、睡魔が襲う。
ひたすら眠り、いま目覚めた。
夜の8時である。
明日は一日葬儀がある。
用意をしなければ。
立ち上がるとき、着替えをするとき、愚妻に手伝ってもらわなければ、「痛テテテ」になるので、やむなく手を借りる。
「ホントにしょうがないわねぇ。介護するときは大変だわ」
嫌なことを言うのだ。
が、これが介護の実際なのだろう。
妙な得心をした次第。