張り切って洗濯をしている。
私の担当は、法衣の下に着る白衣と襦袢、白足袋、白い下着一式である。
法務から帰宅すると、すぐに白衣と襦袢をネットに入れ、足袋は洗濯槽の底に張り付けるように置き、洗剤を放りこみ、ソフターを入れる。
あとはスイッチをポン。
洗濯なんぞ、恐れるに足らずである。
ただ、干すのは面倒だ。
一度、やってみて、私の性格に合わないことがわかった。
そのうち気が向いたらやってみよう。
あとは料理と洗濯の基本ができれば、愚妻に先立たれても何とかなるだろう。
だが、ご葬儀に出仕していつも思うのは、先立つのは圧倒的に夫である。
となれば、私が家事をする確率はずいぶん低いということになる。
家事の練習は、無駄な努力になるやもしれぬ。
そう思うと、にわかにやる気がうせるのである。
男女平等はいまや時代の潮流だが、人生おいて最重要である平均寿命は、女性87・74歳、男性81・64歳。
いつの時代も女性が長生きする。
生物として、徹底して不平等である。
男女平等とは、男女はそれぞれにおいてプラスとマイナスがあり、足して「プラマイ・ゼロ」のことを言うのではないか。
洗濯機のスイッチを押しながら、そんなことを思うのだ。