昨夕のことだ。
「メシでも食いに行くか」
愚妻に言うと、
「これから歯医者だわよ」
予約しているのだという。
「聞いてない」
「言ったわよ」
「伝わっていないということは、言っていないのと同じだ」
「いつもそうなんだから」
プリプリ怒って、
「人の話をちゃんと聞いていない」
「いつも生返事」
とどめもなく非難が続くのである。
だが、前述のごとく、伝わっていないのは告げていないということではないか。
「言ったつもり」
という言葉はあっても、
「聞いたつもり」
とは言わないではないか。
理詰めで迫ったが、「私は言った」の一点張りなのである。
自民党と維新は政策をめぐって文書をかわした。
どうやら我が家においても、逐一、文書をかわす必要があるのではないか。
提案したが、聞く耳など持つわけがない。
言った、言わない、聞いていない。
この先、ボケてきたら、この応酬になるのだろう。
歳を取って生きていくのは、なんとも難儀なことである。