歳時記

月に向かって吠える

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昼間、日帰り温泉の露天に浸かっていると、まだまだセミの鳴き声がにぎやかだ。
しかし、夜になると今度は虫の音が秋の到来をつげる。
いい季節になってきた。

以前にもこのブログで書いたが、秋の夜長の虫の音を聞くのは、私にとって至福のひと時なのだ。

愚妻は私と真逆で、
「虫がうるさくなってきたわね」
と顔をしかめる。

風情も何もあったものではないが、愚妻はなぜかお月さんは大好きなのだ。

先夜、通夜から帰宅して、
「でっかい満月で出ているぞ」
「ホント?」
そそくさと玄関に向かう。

「近所迷惑だから吠えるなよ」
「何よ、それ」
「狼は月に向かって吠えるのだ」

愚妻の怒るまいことか。
狼そっくりなのである。

今年も残すところあと4ヶ月を切った。
カレンダーと手帳を買った。
来年も元気でいるものと思っているのだろう。
凡夫の悲しさ。
苦笑するしかないのだ。

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