歳時記

「動物園」と「モネ展」

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一昨日、『モネ展』を見るため、愚妻と上野の国立西洋美術館へ出かけた。
開催は2月11日まで。
この日しか、私は時間の都合がつかなかったのだ。

平日とはいえ、混んでいるだろうと思ってはいたが、チケット売り場は長蛇の列が何重にも折り返しになっている。
係員に問えば、チケットを購入するまで1時間ほどだとか。
しかもチケットを購入してもすぐに入場できるわけではなく、入場時間が指定されるのだ。

「やめた」
「帰るの?」
「いや、動物園にする」
「ちょっと、モネがどうして動物になるのよ!」

愚妻はブーブー言って反対したが、強引に上野動物園に入った。

ところが寒いせいか、動物が観覧できる場所まで出てこないのだ。
かろうじてゴリラが見えただけ。

「ちょっと、トラやライオンはどうしたのよ。ゾウは? 出てこないじゃないの」

ここぞとばかり、愚妻が私を責める。

動物園を見て帰るつもりだったが、そうもいかなくなり、
「さあ、次は『モネ展』だ」

かくして並ぶことにした次第。

モネは「睡蓮」でよく知られているが、同じ構図をよくもまああれだけ描けたものだ。

「モネは偏執者かもしれんな」
作品の感想は口にせず、私が独自の視点で「モネ評」をすれば、
「これだけの人が入るんだから、莫大な収入だわよね」
愚妻も独自の価値観で「モネ評」をする。

入場料は一人2,300円。
しかも立ちっぱなしなので夫婦して腰痛である。
芸術鑑賞も楽じゃないのだ。

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