山形県議会で「笑いで健康づくり推進条例」が成立したそうだ。
「笑い」は健康にいいということで、県民には「1日1回は笑うことなどに努める」ことを求めているとか。
「笑っちゃうわね」
テレビニュースを観ていた愚妻が笑ったので、
「シワが増えるぞ!」
脅したら、真顔になって笑っていた。
妙な表情だ。
愚かな女である。
それはともかく、「笑い=笑顔」は円満な人間関係をつくる。
人間関係がヘタで悩んでいる人は少なくないが、そういう人は笑顔が足りないのだろうと思う。
脳科学によれば、人間は「暗い顔」を見ると攻撃的な感情にかられ、「笑顔」を見ると気持ちがなごやかになるとされる。
あるいは、笑顔で語れば聞き手は話の内容まで楽しく感じるが、同じ話であっても、不機嫌な顔で語れば、聞き手はつまらなく感じてしまうという。
つまり表情は、相手の心に伝染するというわけだ。
これを脳科学では「ミラー・ニューロン仮説」と呼ぶのだそうだ。
ミラーは「鏡」、ニューロンは「神経」のことから名付けられたもので、
「人間は相手の動作を見たとき、あたかも自分も同じ動きをするかのように活性化する神経群が脳にある」
とする。
ホンマかいな、と思っていたら、
『怒れる拳(こぶし)、笑面(しょうめん)に当たらず』
という言葉に出合った。
「怒って拳を振り上げて殴りかかってきた人も、相手が笑顔で対応したなら気勢を殺(そ)がれてしまうもの。まさか、にこやかに笑っている人対して拳を振りおろすわけにもいかず、やり場に困ってしまう」
という意味で、800年前の中国の禅僧・雲台省因の言葉である。
どうやら昔から「笑顔」の効用について、あれこれ語られていたのだろう。
条例までつくるのはどうかと思うが、「笑い」のススメは結構なことだと思う。
何が起ころうとも、ガハハと笑い飛ばせばいいのだ。
「ちょっと、風呂からあがるときはフタを閉めてよ!」
愚妻が怒るので、
「何のそれしき、ガハハ」
笑ったら火に油になってしまった。
「笑い」のススメは結構だが、『怒れる拳、笑面に当たらず』は我が家には当てはまらないということか。
「笑顔=円満な人間関係」は、他人と関わりにおいて効果を発揮する。
無理して笑うことはないが、「笑う」ということについてもっと考えてもいいのではないかと、山形県の「笑いで健康づくり推進条例」に思ったことある。