歳時記

保護司ということ

投稿日:2024年6月12日 更新日:

大津市で保護司が殺害された。
なにがあったか現段階ではわからないが、小泉法務大臣が記者会見で、
「保護司が安心して活動できる環境を整備していくことが当面の重要な課題だ」
と述べるなど、波紋が広がっている。

私にも保護観察所からすぐに連絡があり、担当している保護観察対象者について意見を求められた。

私は保護司を拝命して20年以上になり、傷害や殺人などの粗暴犯も担当したが特に問題はなく、身の危険を感じたことやトラブルは一度もない。

ただ、私が気になるのは、今回の事件で保護司のなり手が少なくなるのではないかということ。
私はなんとも思わないが、対象者が自宅に定期的にやって来ることに、愚妻はいささか懸念があるようだ。

保護司の仲間に聞くと、面接のため犯罪者が自宅に出入りしていることを近所に伏せているという。
守秘義務と同時に、近所の懸念を考えてのことだ。
保護司のなり手を探すことも、私たち保護司の役目の一つだが、もろもろ大変さを考えると声かけに躊躇もするのだ。

私の場合、多いときで5~6人、いま4人の対象者を担当している。
来訪だけでなく、往訪することもある。
転居や転職、病気の相談にも乗る。
報告書も書かなければならない。
無償のボランティアである。

しかも私は、高齢者ではあるが、法務と執筆も現役である。
以前は、それに加えて道場の指導もあった。

忙しいし、大変といえば大変だが、これを大変と考えるか、自分にとっても人生の勉強をさせてもらっていると考えるかで、意味はガラリと変わってくるのではないか。
何事も「視点」の問題だと、あらためと思うのである。

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