退院早々だが、昨夜と今朝と通夜葬儀である。
で、今朝は葬儀。
出かける前のこと。
居間で何気なく、
「ア~ア~」
と、大声を出したら、
「ちょっと、びっくりするじゃないの!」
愚妻が怒ってから、こう言った。
「普段からそんな声を出していたら、あなたがボケたときにわからないでしょ!」
大マジメで言い放った。
自分の亭主をなんだと思っているのか。
カチンと来ながら、ふと思った。
キツイ言葉も、笑って言えばジョークになるが、眉をつり上げて言えばマジの非難になる。
ホメ言葉も同様で、笑って言えばジョークになるが、眉をつり上げて言えば本気の称賛になる。
なるほど、言葉と表情のギャップを利用すればいいのだ。
憎らしい相手を本気で非難したいときは、笑顔で言えばよい。
ホメたくもない相手を意地悪くヨイショするときは、大マジメな顔で言えばよい。
言葉は表情と組み合わせることで、溜飲はいかようにも下がる。
逆説的に言えば、言葉や表情は、何と怖いものであることか。
「鵜呑みにするな、気をつけるべし」
自分に言い聞かせながら今朝、葬儀のお勤めに出かけたのである。