歳時記

手術は無事、終了

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愚妻の乳ガンの手術が本日午前、無事に終了した。
担当医が気さくな方で、これには愚妻も大いに勇気づけられたことだろう。
ありがたいことである。

入院は昨日だったが、家を出るまで口うるさく、私は閉口した。

「風呂のフタがいつもズレてるわよ」
「燃えるゴミはこっちだからね」
「血圧手帳の記入を忘れないでよ」

何だかんだ注意する。

「下着がどこにあるかわかっているわよね?」
「わからん」
「法務用の下着や足袋は?」
「わからん」
「しょうがないんだから!」

プリプリ怒りながら箪笥から出して、用途別に下着一式を和室に並べていく。
これなら、私でもわかる。

日帰り温泉はいつも自前のタオルとバスタオルを持参するが、

「洗濯が大変だからタオルは借りるのよ。一式260円だけど、帰るときの精算で払うんだから間違えないでね」
「ちゃんと入浴カードを持っていくのよ」

ここに書き切れないほど注意されたので、みな忘れてしまった。

幸い、コロナで面会はできない。
行かなくてもいいので、これは助かる。
右の乳房なので、しばらくラインもよこさないだろう。
静かでよろしい。

だが、多少の心配はしておかなければ、あとで文句を言われる。
それで昨日、病院に送り届ける車のなかで、
「快気祝いはいつやるかな」

気づかって言ったところが、
「ちょっと、手術をする前に快気祝いもないでしょ!」

怒っていた。
愚妻は怒ると元気が出るのだ。

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