昨日は愚妻と『もみじロード』へ行ってきた。
ウェブの観光案内には、
《志駒川に沿って延長約10キロに続く県道182号は、通称「もみじロード」と呼ばれ、県内屈指のもみじの名所として約千本のもみじが生い茂ります》
とある。
鴨川市に仕事部屋を借りていたころ、何度か行ったことがあり、モミジがとてもきれいだった。
モミジは、私の出身である広島県の県花でもあり、私のお気に入りなのだ。
以前、よく通っていた鰻屋が植木を趣味にしており、
「私はモミジが大好きだ」
と言ったら、
「庭にあるから持っていけ!」
わざわざ掘って持たせてくれた。
いまも庭に植わっている(たぶん)。
で、昨日は『もみじロード』へ。
だが、これまでは仕事部屋のある鴨川市からスタートしていたが、今回は自宅からなので逆コースになる。
そこで念を入れ、『もみじロード』の起点の目印にと、コンビニをカーナビに入れて出発した。
順調に進み、
「あッ、『いらっしゃい、もみじロード』と書いてあるわよ」
愚妻の弾む声に気を良くして快調に走る。
ところが、モミジがほとんどない。
道もどんどん狭くなっていく。
「おかしいわねぇ。この道、本当に『もみじロード』なの?」
愚妻がジロリと私をニラむ。
山をどんどん上り、下り、そのうち「鴨川方面」の案内表示。
道を間違えたのだ。
私も愚妻もそのことに気づくが、何も言わない。
私にはよくあることで、お互いそのことはよく知っているからだ。
微妙な雰囲気。
「さて」
沈黙に耐えかねて、私が明るく言う。
「モミジはよしとして、そろそろ館山市に行くか!」
刺身を食べに方向転換した次第。
帰宅してグーグルマップで調べると、カーナビに入れたコンビニの位置そのものが『もみじロード』からそれていた。
『もみじロード』だからいいようなものの、これが『人生ロード』ならえらいことだと思いつつ、
(いや、ひょっとして私は『人生ロード』からもそれているのではいか?)
そんな思いもよぎったのである。