歳時記

湯船でマスク

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コロナの大流行だが、7月は法務で忙しく、あわただしかった。
愚妻も、日帰り温泉を休まない。

「感染するぞ」
注意すると、
「大丈夫よ、マスクをしているから」
湯船でもマスクを着用しているそうだ。

「変人と思われるぞ」
「どう思われたっていいでしょ」
涼しい顔で言う。

そうなのだ。
周囲の目など、どうだっていいのだ。

だが、先夜、愚妻とイタメシを食べに出かけたとき、私が着物を着ると、
「ちょっと、この暑いのに着物なんか着て、ヘンな人に思われるでしょ」
怒ったので、
「どう思われたっていいと言っていたではないか」
「私の場合はいいのよ」

理不尽なことを、すまし顔で言うのだ。

7月は法務で忙しかった。
読経のときはマスクを外す。
大勢の人と接触するため、感染しないのが不思議なくらいである。

8月はお盆参りがあり、予定があれこれ入っている。
コロナに感染したらお参りはキャンセルになって迷惑をかける。
それを考えれば、日帰り温泉はガマンするしかない。
愚妻のように、湯船でマスクをつける度胸は、私にはないのだ。

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