歳時記

心境の変化

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来週から、愚妻は日帰り温泉に行くことにしたという。
緊急事態宣言が解除されたからだ。
愚妻は、「独善的」と「遵法精神」が同居する独特の精神構造の持ち主なのである。

だが、私は留守番。
ヘソの傷口が治りきっていないので、それを見たら他の客がイヤな気分になるからだと愚妻がいう。

温泉療養を楽しみにしていた私はガッカリだが、確かに周囲にイヤな思いをさせるわけにはいかない。

そんなことを思っていたら、唐突に温泉療養の興味が失せてきた。
数日間の予定で温泉地を予約していたのだが、行くのが面倒くさい。
「やめた」
「えっ?」
「キャンセルせよ」

私は「見切り」には絶対の自信があるのだ。

「何でも唐突なんだから」
愚妻はブツブツ言っているが、笑顔がこぼれている。
療養するのは私で、旅行費用は愚妻持ち。
いささか温泉も厭きているらしく、喜ぶはずである。

今朝、体重を量ったら、入院前より5キロ減。
たったの4泊5日の入院と手術だが、人生の変化というのか、唐辛子のように日常生活にスパイスが利いてきたような気がしてならない。

食べるということに対して急速に興味が失せ、それが体重減につながっている。

資料本を読むのが楽しくなった。
スキャンしてPDFにしてあるので、アイパッドで読んでいるが、反射が目に疲れるのでノングレアのフィルムを買い、昨日、愚妻に貼らせた。

通常4時起きだが、一昨日は明け方3時に目が醒め、嬉々としてPCに向かった。

クルマでスピードを出さなくなった。

「面倒」が面倒でなくなってきている。

よくはわからないが、日常生活と考え方に変化が起きていることを実感するのだ。

もっとも愚妻は、私のこの変化を心配している。
そのうち何かしでかす「前ぶれ」ではないかと懸念しているのだ。
さて、どうなるか。

今年もあと3カ月。
自分でも変化を楽しみにしているのだ。

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