歳時記

顔の日焼け

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自宅で仕事をしているときは、エアコンが効きすぎて寒い。
長ズボンに靴下、カーディガンである。
エアコンを停めると手に汗をかき、キィーボードを打つのに支障が出る。
うまくいかないのだ。

愚妻は、最新式の高価なエアコンだからよく効くのだと恩着せがましく言うが、私はえらい迷惑だ。

「バカ者、誰がそんなもの買えと言った」

文句を言うと、百倍になって返ってくるのだ。

ところが、納骨法要で墓前に出向くと、これが一転、暑いのなんの。

短パンTシャツならともかく、下着、半襦袢、白衣、その上に衣を着て袈裟をつける。

スキンヘッドに日差しがジリジリ。
墓地はたいていただっ広く、地面の輻射熱でむせかえるようだ。

しかも、マスク。
汗をかくので、読経の最中、息を吸いこむとマスクが顔にへばりつく。

(あっ、息ができない!)

それでも馴れてくると、呼吸困難にならないよう肺に余力を残して読経するようになる。
困難は人間を進歩させるということがよくわかるのだ。

「仏法弘まれ」ということからすれば、お勤めの機会をちょうだいしてありがたいことなのだが、この暑いときに墓前で法話を長々とすれば嫌がられてしまう。
お勤めひとつとっても、なかなか難しいのだが、これは当事者だけの苦労。

愚妻はノンキなもので、
「あら、身体は白いのに顔だけ日焼けしているわね」
アッケカンと言う。

愚か者が、亭主の顔がなぜ日焼けしているか思いが至らないのである。

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