「生き方」の極意

「選択」ということ

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拙著『心の清浄をとりもどす 名僧の一喝』(すばる舎)より。

法然「選択とは、すなわちこれ取捨の義なり」

 

「なぜ、あのとき」
人生の選択に後悔はつきものだ。

期待した結果にならなければ当然後悔し、満足のいく結果であっても、
「別の選択をすれば、もっとよくなっていたのではないか」
という欲が後悔の思いをつのらせる。

「だから、一つを選び取るときは、他のすべて捨て去るという決然とした覚悟を持て」
と法然は教える。

浄土宗開祖の法然は、万巻の経典の中から「南無阿弥陀仏」というわずか六文字を選び取り、他の一切を捨てた。
当時の仏教界において大革命であり、その選択は僧侶として命がけの決断であったろう。

ひるがえって私たちは、人生の決断や選択にさいして、どれほどの覚悟をもっているだろうか。

その場の雰囲気やムードに流されるのが悪いというのではない。
人生という大河に我が身を浮かべ、流れにまかせるのもいいだろう。
だが、満足せざる結果に直面して、
「なぜ、あのとき」
という後悔に苛まれるとしたら、それは、ただの怠惰に過ぎまい。

飄々とした人生のなかにも「選ばなかった人生は二度と返ってこない」というひそかな覚悟を持つべきだと、私は法然の教えを読み解くのだ。

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