コロナ第三波に、愚妻の機嫌が悪い。
冬の感染爆発については前々から言われていたのに、いまになってベッド数がどうの、医療逼迫がどうのと言っているからだ。
これには私も同感である。
危機がわかっていて、政府はこれまで何をしていたのか。
どうも菅内閣はピリリとしない。
ある編集者に「菅首相に興味はあるか」と茶飲み話に問われ、
「ない」
と答えると、
「でしょうね。彼には華がない」
編集者はそう言った。
叩き上げと言うことで角栄に擬せられるが、「華」ということでは角栄にとても及ぶまい。
華とは稚気である。
角栄には稚気があり、菅にはそれがない。
稚気はトップに必須の資質なのだ。
菅は総理になるべきではなかった。
頂上を極めるばかりが登山ではない。
三合目、五合目で腰を下ろし、眼下を眺めるのも楽しいものだ。
あえて頂上を目指さないという生き方もある。