先週、愚妻と能登半島の温泉に出かけた。
4泊したが、終日、ノートパソコンに向かい、疲れたら露天風呂。
自宅にいて日帰り温泉に行くのと、ちっとも変わらない。
何しに行ったんだか。
部屋から風呂場にはマスクを着用しなければならない。
だが、頭が疲れていると、これを忘れてしまう。
3階の部屋から1階の風呂場に降りて気がつき、部屋まで取りにもどる。
マスクを着用して、再び風呂場に行くとそれを外す。
何をやっているんだか。
そろそろ耄碌(もうろく)してきたのかもしれない。
五十代の坊主で保護司の仲間が、
「向谷さんはいいですね、歳をとっていて。坊さんは歳をとっているだけでありがたい感じがするものです」
と言ってくれたことがあるが、あれは本当にそう思って言ったのだろうか。
湯船につかりながら、そんなことも考えたのである。
そういえば昨日、墓前で納骨法要があったのだが、同じ墓地で超高齢の坊さんがお勤めをしていた。
なるほど、サマになっている。
やっぱり坊主は歳を取っているほうがいいようだ。
帰宅して、愚妻にそのことを話すと、
「心配しなくても、じゅうぶんに歳はとってるわよ」
可愛げのないことを言うのだ。
着物をコートに仕立て直しに出しており、出来あがったという連絡があった。
歳を拾うだけでなく、ちょっと変わったコートを法衣の上に着ていると、もっともっとサマになるのではないか。
人生は四苦八苦。
遊びで生きて丁度いいのだ。