歳時記

野菜たちの「我慢」

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 友人から、このブログについて記述の誤りを指摘された。
「大寒は20日です」
 と言うのだ。
 例年、1月20日がそうだとは私も知っていたが、手もとの『家族で楽しむ 歳時記・にほんの行事』(池田書店)でチェックすると1月21日になっていた。
 それでも書く前に一応、例年の大寒を調べてみると、2008年が21日になっていた。
(そういうこともあるんだ)
 と納得し、21日と書いたのである。
 ところが、友人は誤りだという。
 カレンダーをいつか調べてみると、なるほど1月20日が大寒となっている。
 出版社の校正ミスか。
 歳時記にミスがあったとしたら、これはまずかろう。
 池田書店に連絡しようと、奥付を見ると、なんと本書の発行が2008年3月となっているではないか。
 それで合点した。
 2008年の大寒は1月21日である。
(しかし)
 と疑問がもたげた。
 これでは、本書は使用できないではないか。
 歳時記は年によって、そう変わるものではないということで、池田書店は2008年に出版したものを流通させているのだろうが、それでは役に立たない。
 と同時に、一つの資料だけに当たることの恐さを再認識した次第。
 さて--。
 大寒のついでに記しておけば、まもなく「水沢腹堅」の候に入る。
「水沢腹堅」は「さわみずこおりつめる」、あるいは「すいたくふくけん」「すいたくあつかたし」と読む。
「沢に氷が厚く張りつめる」
 といった意味で、1月25日~1月29日ごろに相当し、大寒を境に春に向かえども、まだまだ寒いという意味になろうか。
 さすがに畑も日陰となると午前中は霜柱が立っている。
 で、今日は昼になるのを待って畑に出かけた。
 ポカポカ陽気ではあるが、やはり畑を吹き抜ける風は冷たい。
「もうこの時期は、収穫するものもほとんどなくなったねぇ」
 と、畑の「大指南役」であるSさんが畑を見やりながら、
「野菜も春を待って、じっと我慢しているんだ」
 言われてみて野菜を見る。
 ネギも、ほうれん草も、小松菜も、豆も、みんな歯を食いしばってこの寒さに耐えているように思えてきて、何やら野菜が愛(いと)おしくなってくるのだ。
 

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