昨夜のことだ。
小便は座って用を足せ、と愚妻が言い出した。
詳細は知らないが、洋式トイレの場合、使用後に水を流したときにウィルスが便器の中から中空に飛散するのだそうだ。
テレビのワイドショーあたりで言っていたのだろう。
「コロナ菌がいたら困るでしょ」
大マジメに言うが、これはおかしい。
我が家は二人暮らし。
外出自粛で来客はない。
便器にコロナ菌が付着しているようなら、その前にお互い感染しているのではないか。
そのことを指摘し、
「犬だってオスは決して座らず、片足を上げて小便をする。オスは立っていたすものだ」
たしなめたのだが、
「あら、あなた犬なの?」
聞く耳を持たず、これから小便をめぐる不毛の抗争が続く予感である。
ヒマとは怖いもので、愚妻はフェイスガードを試行錯誤しながらつくっている。
サンバイザーの帽子を利用することを思いついたらしく、先程、アマゾンで注文していた。
コロナ禍は、人間の悲喜こもごもを見せてくれるのだ