水曜と土曜は「空手しつけ教室」である。
いま出席簿で数えてみたら、幼児・1年生のこのクラスは19名いた。
教えるのは私一人。
幼稚園モードなので大変である。
遊ばせたり、しつけたりするだけならいいのだが、試合もあるので空手を教えなければいけない。
これが難事なのだ。
大人だって稽古はイヤとなれば、幼児はなおさらだろう。
なだめたり、すかしたり、笑わせたり。
「館長の頭、ツルっ禿げ!」
女児がからかうが、私はニコニコ笑顔。
道場は私にとって、まさに人間修養の場なのだ。
おかげで「名僧」の雰囲気がぐっと出てきたのではないか。
愚妻に問うと、
「バカなこと言ってないで、さっさと道場へ行きなさいよ!」
遊び心に欠けたことを言うのだ。
過日は、「わしは釈迦の生まれ代わりかもしれんな」とつぶやいたら、
「よそでそんなこと言わないのよ」
と、これまた遊び心に欠けたことを言ったものだ。
愚かにも、「遊ぶ」と「遊び心」は似て非なるものであることに気がつかないでいる。
「しつけ教室」も大変だが、愚妻を御することを思えば楽なものかもしれんと、自分に言い聞かせるのだ。