右の肩甲骨の一点が痛い。
ズキズキ痛み、原稿書きに支障をきたす。
愚妻に言うと、
「ちょっと、今度は肩甲骨なの」
溜め息をついて、
「あっちが痛い、こっちが痛いって、どうしようもないわね」
そして、言うことはいつもと同じ。
「源泉にじっくり浸かりなさいよ」
そんなわけで、源泉にじっくりと浸かってみたが、やはり痛む。
「治らないではないか」
抗議をすると、
「揉んでるの? ただ浸かるだけじゃダメなのよ」
で、昨日。
「揉んでみたが治らんぞ」
さらなる抗議をすると、
「サウナは? サウナと交互に入っているの? 源泉だけじゃダメ、揉むだけでもダメ、サウナにもちゃんと入らなくちゃ」
どこでサギ師の話術を覚えたのか。
クレームにはびくともせず、ああ言えばこう言うで、私をどんどん深みに引きずり込んでいくのだ。