必要があって、渋沢栄一について資料を読んでいる。
新一万円札の顔になった実業家である。
読むにつれ、
「私と同じ考えだ!」
と、誠に不遜ながら思わず膝を叩くのである。
私の言葉で言えば「逆境は甘受すべし」「花は時宜を得て咲く」といったことなど、私がことあるごとに書き、話していることを渋沢栄一は語っている。
一気に親近感を抱いた次第。
いや、私だけでなく、多くの人が「自分と同じ考えだ」と思うのではないか。
ここに「処し方」の普遍性を見る。
それにしても、田中角栄といい、渋沢栄一といい、その言葉や考え方は、
「なるほどそのとおりだ」
と附に落ちて心に響いてくる。
言い換えれば、政治家に見るごとく、言葉のあまりに軽き時代風潮の裏返しなのかもしれない。