いま財布のおカネを移し替えていたら、『コメダ珈琲』のコーヒーの回数券が出てきた。
すっかり忘れていた。
この1週間、『コメダ』に行っていないではないか。
法事の出仕が相次ぎ、昨日も都内。
仕事も山積、考えなければならないことも多く、ノンキにコーヒーを飲みに行く気分ではなかったのだろう。
私のこれは長所か欠点かわからないが、頭の中はデジタル式になっていて、何事も引きずらない。
頭から閉め出すときは瞬時なのである。
だから『コメダ』のこともすっかり忘れていたという次第。
愚妻も同じなのだろう。
回数券を2冊買っておいて、私に行かないのかと問わないところを見ると、『コメダ』のことは忘れているのだ。
夫婦してデジタル式で忘却が得意なため、周囲は迷惑していることだろう。
そういえば、20数年前の昔、娘が夕食時に、
「明日の朝、早く起こしてね」
と愚妻に頼むと、
「明日、どこか行くの?」
間延びした返事。
これには、娘はア然として、
「ちょっと、明日は私の高校入試の日よ!」
そんなことを唐突に思い出した。
これにくらべれば、私が『コメダ』のことを忘れるのは可愛いものなのである。