歳時記

ババ・ハラスメント

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 今朝、ハッとしてベッドで目が醒める。
 何か用事があったはずだ。
 手帳を見ると、10時30分から地域の保護司会の総会があった。
 やれやれ気がついてよかった。
 私は監査なので、総会で会計から会計報告がなされたあと、監査報告をしなければならないのだ。
 そのため過日、帳簿類をチェックした。
 監査報告がなければ、総会はヤバイことになるところだった。
 多忙で寝不足のとき、予定がスッポリと抜け落ちることがある。
 以前も、保護司の役員会をすっかり忘れていて、会長から電話があった。
「いま、こっちへ向かっているところですか?」
 会長が気をつかった言い方をする。
「こっちって、どっちですか?」
「市役所ですが」
「どうして私が市役所へ向かうんですか?」
「エッ」
 会長は絶句して、
「これから会議ですけど」
 こんなことが何度かあり、以後、予定を随時チェックするようにしている。
 ところが、チェックしながらも今朝のようにハッと目覚め、「何か用事があったはずだ」ということになるのだ。
「ボケてきたかもしれんな」
 愚妻に言うと、
「そうかもしれないわね」
 意に介さない。
「困るのはおまえだぞ」
「私は困らないわよ」
「世話するのは大変だぞ」
「あら、世話なんかしないもの」
 私に返す言葉はない。
 このところ、論戦すると、私のほうがどうも分が悪く、チクリチクリといじめられている。
 ちょうどテレビで、財務省事務次官のセクハラをやっていので、
「おい、おまえの接し方はハラスメントだぞ。イヤみばかり言って、そういうのをババ・ハラスメントと言うんだ。お前はババハラだ」
「じゃ、あなたはジジイ・ハラスメントじゃないの。ジジハラ!」
 ハラスメントをめぐって、我が家では不毛の罵り合いが続くのだ。

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