風呂のシャワーが、少しだが水漏れするようになった。
昨年暮れ、
「そろそろシャワーヘッドも交換だな」
と私が言ったが、根拠のない指摘に愚妻は鼻で笑って、
「何で換えるのよ。全然、平気じゃないの」
バチ当たりが、私の勘の鋭さに気づかないのだ。
で、新年早々、水漏れ。
愚妻がシャワーヘッドを買ってきて、交換しろと言う。
「簡単よ。ネジを弛めて、差して、締めるだけだから」
実に無礼な言い方をする。
「難しいから」
と懇願するなら、
「よし」
と私も張り切るが、「簡単なのよ」と言われたのでは、やる気は起こらない。
「簡単なら、お前がやればよい」
私はヘソを曲げ、愚妻が取り付けた。
最初から、自分でやればいいのだ。
人に依頼するとき、
「簡単だから」
と言うのと、
「難しいから」
と言うのと、どっちがいいか。
本当に難しい案件は「簡単だから」と言って相手を乗せ、簡単な案件は「難しいから」と自尊心をくすぐるのがいいようだ。
今年も早々に、愚妻のおかげで、またひとつ勉強になった。
実りの多い年になりそうである。
シャワーヘッドの交換
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