愚妻は、今朝も近所の日帰り温泉へ。
連日、出かけるのにはわけがある。
JAFの会員カードを見せると、バスタオルとタオルの使用料が無料になることを先日、知ったのだそうだ。
「だから、行けばいくほど得なのよ」
と言いながら、JAFの年会費を一回当たりのタオル使用料で割り算し、何回で元が取れるか計算している。
浅はかな女だ。
タオル使用料は無料でも、入館料がかかるではないか。
行けば行くほどカネがかかるのだ。
「バカ者」
と叱責しようとして、唐突に「朝三暮四」の故事が頭をよぎる。
ハハーン、愚妻は連日の温泉通いに「正当性」を持たせるため、タオル使用料タダの話を私にしているのではないか。
そこに気がついた。
サルではあるまいし、そんなことで私は騙されないのだ。
「おい、ホテルのディナーバイキングは、65歳以上は通常料金の2割り引きだ。行けば行くほど得をするぞ」
「おい、映画は60歳以上は1100円で見られる。700円引きだ。行けば行くほど得をするぞ」
黙って聞いていた愚妻があきれ顔で、
「バカみたい」
自分のことは棚に上げて言うのだ。
「得」という「まやかし」
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