「ドナルド・トランプって、ウソみたいな名前よね」
愚妻がテレビニュースを観ながら言った。
なるほど、そうだ。
「ドナルドダッグ」の「ドナルド」+「トランプ」とくれば、たしかにウソっぽい名前である。
日本で言えば「花札太郎」といったところか。
名前というのは大事で、ソープランドはかつて「トルコ風呂」という名称で、略して「トルコ」と呼ばれた。
知人の風俗ライターは、「ルートコ」なんて言い方をしたものだ。
割りをくったのは、中東の大国「トルコ共和国」である。
「どこから来ましたか?」
問われた留学生が、
「トルコです」
と答えたところ、
「ブッフフ」
腹を抱えて笑われたという。
で、昭和59年、東大に留学していたトルコ人学生が、当時の厚生省に名称変更を訴え出たことが発端となり、「ソープランド」と改称した。
こうしてみると、「クリントン」という名前は、「栗きんとん」を連想してしまって、いまいち心に響かない。
これに「ヒラリー」は「ひらひら」で軽薄イメージ。
となれば、「ドナルド」+「トランプ」には負けるだろう。
そんな解説を愚妻にすると、
「ヒラリーの〝ひらひら〟も、クリントンの〝栗きんとん〟も日本語の連想でしょう。アメリカ人には関係ないんじゃない?」
バカ話は笑って楽しめばいいものを、なんとも愚かな女だ。
私はすっかり不機嫌になってしまったのだ。
「トランプ」という名前
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