今朝、二階の自室から階下におりようとして手すりをつかみそこね、あやうく頭から階段を転げ落ちるところだった。
何かとせわしく、急いでいたためだ。
「おい、頭から転げ落ちるところだったぞ」
愚妻に言うと、
「気をつけてよ」
ノンキな声で言って、あとはテレビを観ている。
「死んだかもしれないんだぞ」
私が憮然としてアピールするが、
「死ねばいいけど、寝たきりになったらどうするの」
と、受け流す。
私は頭にきて、
「おまえが世話するしかないだろう!」
と攻め込む。
「イヤよ」
「じゃ、どうするんだ」
「だから階段から落ちないように気をつけてと、さっきから言ってるじゃないの」
夫婦の攻防は、いつも平行線をたどるのだ。
夫婦の攻防
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