歳時記

老兵は憎まれ口を叩くのだ

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 小学二年の孫娘が、愚妻にこう言ったそうだ。
「館長は、お爺さんなのに、元気だよね」
 これは、果たして私をホメているのだろうか。
「お爺さん」
 という一語が引っかかる。
「元気」
 という一語にも引っかかる。
「お爺さんなのに元気」
 という孫娘の言葉を心理分析すれば、
「館長は、お爺さん。本来ならヨボヨボしているはずだけど、なぜか元気。これって、ヘンじゃない?」
 と愚妻に問いかけたことになる。
「悪かったな、爺さんで。悪かったな、元気で」
 愚妻に毒づくと、
「バカみたい。孫の言葉に怒る人がありますか」
 そう言いつつも、嬉しそうに笑っている。
「老兵は死なず、ただ消え去るのみ」
 と言ったのは、確か、マッカーサー元帥がトルーマン大統領に追われたときの言葉ではなかったか。
 冗談じゃない。
 消え去ってたまるか。
 これから、ますます煩悩に磨きをかけてやる。
 老兵は死にもしなけれ、消え去りもせず。
 元気で、憎まれ口を叩くのだ。
 

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