横浜市緑区のJR横浜線の踏切で、線路上に倒れていた年配男性を助けようとして、40歳の女性が電車にひかれて亡くなった。
「困った人を見ると、見て見ぬふりができない優しい子だった」
と、娘を亡くした父親は語った。
「もし、私が彼女の立場だったらどうしただろうか」
自問は、理屈ばかりを振りかざして行動の伴わない自分への鋭い批判に転じていく。
『悪性(あくしょう)さらにやめがたし、こころは蛇蝎(じゃかつ)のごとくなり』
と、親鸞は私たちの本質を抉(えぐ)り出す。
悪性とは、自分だけが可愛いと思う身びいきの心。蛇蝎とはヘビとサソリのことで、私たちは生まれながらにして悪性という「蛇蝎の毒針」を心に宿し、宿したまま一生を送っていくという。
そのとおりだと思う。
だが、その一方で、人を助けようとして亡くなっていった女性がいる。
いろいろ考えさせられるのだ。
電車にひかれて亡くなった女性
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