歳時記

心穏やかな一日

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 今日の午前中、墓参りに行ってきた。
 クルマで20分ほどの霊園なので便利だが、暑さは距離とは関係ない。
 無風に加え、あまたの墓石が陽を反射して霊園は実に暑いのだ。
 墓参で熱中症になったらみっともないので、愚妻に日傘を差し掛けさせ、短いお経を早口で称える。
 もとより愚妻はお経のことなどわからず、何事も「臨機応変」が私の持ち味なのだ。
 帰途、ファミレスに入ると満席。
 順番待ちである。
 並んでまでメシを食べないのが私の流儀で、こういう場合、さっさと後にするのだが、ふと昨日のことが脳裏をよぎる。
 昨日は、仕事用のノートパソコンを持ち、朝7時に自宅を出て、埼玉県深谷市の日帰り温泉に出かけた。
 高速道路の下りは、お盆の渋滞は12日がピークと聞いていたので、スイスイといくはずが、えらい渋滞に巻き込まれた。
 頭に来て高速道路を下り、一般道を走ったところが、到着が午後1時30分。
 2時間の予定が、6時間以上の運転である。
「あのまま、高速道路で行けばよかったのに」
 愚妻になじられ、私は返す言葉かなかった。
 そのことを思い出し、私はファミレスの順番待ちを了解した。
 そして20分ほど待って、席に着いた。
「並んでまでメシを食うような人生を、わしは歩んではおらん」
 と愚妻に文句を言いたかったが、墓参りにいった帰りだ。
 心穏やかに過ごすことにしたのである。

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