歳時記

万人の苦悩は「同等」か

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 BSプレミアムで『エリザベス女王の60年』という番組を放送するそうだ。
 さして興味はないが、
《女王としての日々は問題の連続だった》
 という番組の紹介文に目が止まった。
 抜粋すれば、
《刻々と変化する時代の波。大英帝国の終えん、深刻な経済停滞、チャールズ皇太子の離婚、ダイアナ妃の事故死。この60年、エリザベス女王は何を思い、国民は王室をどう見てきたのか?》
 かのエリザベス女王ですら、苦悩の人生であったということになれば、幸せはどこにもないことになる。
 これを「絶望」と受け取るか、「万人は平等」と受け取るか。
 もっと言えば、何が幸せで、何が不幸なのか。
 幸・不幸は心の裡(うち)に棲むと仏教は教える。
 どんな境遇にあっても、人間は不幸にもなれば、幸せにもなれるということだ。
 そうだろうと思う。
 思いつつも、「本当にそうだろうか」という懐疑もある。
 エリザベス女王の苦悩と、孤独死する人の苦悩が同等とは、どうしても思えない自分がいる。
 そのあたりのことを、自分なりにもっと掘り下げていきたいと思う。
 東日本大震災から、今日で一年になる。

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