昨年暮れ、愚妻が石油ストーブを買ってきた。
地震で停電したときに困るからと、電気を使わないやつだそうだ。
寒いので、いまは廊下に置いて火をたいている。
で、今夕。
ふと思って、
「おい、廊下のストーブはどうやって火をつけるのだ」
愚妻に問うと、
「丸いツマミを右に一杯まわすのよ」
と言うではないか。
「昔のストーブに似ているな」
「昔のストーブだもの」
「新しいやつを買ってきたのではないのか?」
「新しいやつよ」
「昔のストーブだと言ったではないか」
「昔のストーブだけど、新しいやつなのよ」
私の頭はこんがらがった。
というのも、私としては、パソコンの無線ランのように、コードレスになった石油ストーブだとばかり思ってのだ。
ところが、そうではなく、単純に昔式のものだと言うではないか。
「電気を使わない」ということが最新式であると思い込んだことに、私は唸った。
思い込みとは、かくも恐ろしいものなのだ。
最新式の石油ストーブ
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