歳時記

高速道路で考えた

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 昨夜は編集者と打ち合わせがあり、都内へ出かけた。
 この日、車を定期点検に出したので、もう一台で出かけたのだが、愚妻がうっかりして、ETCカードを点検の車から取り出すのを忘れてしまった。
 それで、何年かぶりに料金所で通行券を取って高速道路を走った。
 拙宅から都内まで、2カ所の料金所を通過するのだが、通行権を取るとき、料金を払うとき、戸惑ってしまった。
 そう言えば、ETCで乗るようになったときも、何かの拍子にバーが開かなかったらヤバイな、と最初は戸惑った。
 ところが馴れてしまうと一転、今度は通行権で走ることに戸惑ってしまうのである。
 近年、熟年離婚が急増しているという。
 離婚はいいとしても、再婚も急増していると聞いて、私は首を傾げていた。
 苦役とも言うべき結婚生活を、もう一度繰り返すという神経がほからないのだ。
 だが、きっと人間は、その〝苦役〟に馴れるのだろう。
(とすると、わが夫婦だって)
 高速道路を通行券で走りながら、そんなことを思ったのだった。
 

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