歳時記

ACが広める「詩人・金子みすゞ」

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 社団法人ACジャパンが、同じCMのタレ流しで顰蹙(ひんしゅく)を買っている。
 だが、このCMに流れる金子みすゞの詩はいい。
 私も好きで、かねて彼女の詩集を机の端において折に触れてページをめくっているが、ACのお陰で(?)で、より多くの人に知ってもらえるのは喜ばしいことだ。
 彼女のよく知られた詩に、こんなのがある。
   朝焼け小焼だ
   大漁だ
   大羽鰮(いわし)の
   大漁だ。
   浜は祭りの
   ようだけど
   海のなかでは
   何万の
   鰮のとむらい
   するだろう
 大漁に喜ぶ漁師たちの一方で、海のなかで悲しみにくれる鰯たちの姿を、金子みすゞはじっと見据える。
 日本画家の中島潔氏は、この詩をモチーフにして襖絵に鰯(いわし)の群れを描き、成就院(清水寺の塔頭)に奉納している。
 私たちは、この詩に何を思うだろうか。
 重い詩である。

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