人間が道に迷うと、
「同じところを、ぐるぐる回る」
と昔から言い伝えられる。
森で道に迷ったときなどかそうだ。
出口がすぐそばにあるにもかかわらず、同じところをぐるぐる回って体力を消耗して亡くなる、といった類(たぐい)の話はよく耳にする。
その理由について、ドイツの研究チームは実験の結果として、
「太陽や月、山などの手掛かりがないと、方向や身体バランスの感覚のずれを修正できず、ずれが次第に大きくなってしまうため」
と結論づけている。
つまり、自分がいる現在位置、そして向かうべき方向は、太陽や月といった手がかりが必要ということだ。
これは「森の道」だけの問題だろうか。
日本はいま、大震災という未曾有の国難から立ち上がろうとしている。
私たちは、被災者の方々と手を携え、どこに向かって歩いて行けばいいのか。
菅内閣は、その指針ともいうべき太陽と月を、私たちに示す義務がある。
太陽も見えず、月も見えなければ、日本は同じ場所をぐるぐると回り続け、体力を消耗して倒れてしまうだろう。
これからが政府の正念場である。
太陽と月なくば、道に迷う
投稿日: