今朝も4時30分に、スッキリと目覚めた。
(よし、これなら4時起きにするか)
と、欲をかかないところが私のいいところ。
これまでずっと、無理とムチャを重ねてきたのだ。
還暦以後は、「頑張らず、踏ん張らず」の生き方を心がけている。
だから冷え込みが厳しいときは、空手着の下にパッチを穿(は)く。
これまで考えられなかったことだが、頑張らず、踏ん張らずだ。
先日も書いたが、道場は暖房がきいていて暖かいが、中学校の剣道場は寒いのだ。
で、先夜の稽古前。
小学生たちが「足が冷たい」を連発しながら、
「いいな、館長は足袋(たび)を穿いて」
と、私の足もとをうらめしそうに見る。
だから私は言ってやった。
「館長は足袋たけじゃなく、パッチも穿いているんだぞ」
「パッチ?」
キョトンとしてから、数人が額を寄せ合うようにしてヒソヒソやり始めた。
「パッチって何?」
「知らない」
「オレも知らない」
すると女の子のひとりがしたり顔で、
「スパッツのことじゃない?」
まったく、しょうがない連中だ。
私は近づいて教えてやった。
「パッチというのは股引(ももひき)のことだ。そして、パンツは猿股(さるまた)と言うんだ」
「ももきひ? さるまた?」
キョトンがポカンに変わり、そして大爆笑。
「館長、ウソばっかり!」
私はこのとき「隔世の感」という言葉を思い浮かべたのだった。
これから1ヶ月が底冷えの季節。
老兵は、頑張らず、踏ん張らず。
とりあえず元気にしていれば、消え去ることもあるまい。
頑張らず、踏ん張らず
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