歳時記

今日は道場の稽古始め

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 今日は当道場の稽古始めである。
 偶然だが、今日は「鏡開き」でもある(逆か)。
 鏡開きというのは、正月に年神様にお供えした鏡餅(がかみもち)を砕(くだ)き、お汁粉やぜんざいにして食べ、一家の幸福を願う日本の風習だ(鏡餅とは、大小2つの平たい円餅を重ねたもの)。
 鏡開きの「開く」は「砕く」の意味で、鏡餅には神様が宿っているとされることから、「切る」や「割る」という表現を避け、「開く」という縁起のよい言葉を使うというわけだ。
 ちなみに鏡開きは、正月の終わりと仕事始めを意味する。
 武士はこの日が「具足(ぐそく)開き」で、商家は「蔵開き」、そして農村では「田打ち正月」をして一年の出発とした。
「具足開き」とは、武家にとって大切な具足に供えた餅を、参列者に配るという武家の正月行事を言う(当初は正月20日であったが、この日が3代将軍家光の忌日にあたることから正月11日に改めたもの)。
「蔵開き」は、その年初めて蔵を開くお祝いのことで、「田打ち正月」は田畑に出て二~三鍬(くわ)耕す予祝儀礼。
 武道界における「鏡開き」は、武家の風習にしたがってのことだろうが、私の道場ではやらない。
 特に理由はない。
 暮れの稽古納めのときに、お汁粉会をやるからで、年が明けて、またまたお汁粉でもあるまいと思うからだ。
 それはさておき、今日の稽古始めは寒かった。
 火曜日は、幼児・1年クラスは道場で稽古するが、小学生、そのあとの中学生クラスは、古武道の稽古の関係もあり、臼井南中学校の剣道場を借りて稽古しているのだ。
 道場は暖房がきいているが、中学剣道場はもちろんノー暖房。
 だから寒い。
 子供たちが剣道場に入ってくるなり、
「館長、寒いね」
 と口々に言う。
 魂胆はわかっている。
 稽古よりも、走りたいのだ。
 昨年、12月に入ったころのこと。
「今夜は寒いから走ろう!」
 と言ったのが、思えば間違いのもとだった。
 ちょっと冷え込むと、
「館長、寒いね」
 と、催促する。
「じゃ、15分だけだぞ」
「やった!」
 そして5、6年の女子のしきりで(なぜか女子が強いのだ)、リレーなどして走りまわるといういうわけだ。
 それにしても、子供は遊ぶときの顔がいちばん生き生きしている。
 そんな子供たちを見ながら、
(どういう指導をすれば、あの表情で稽古してくれるのだろうか)
 と、しみじみ思った今夜の稽古始めであった。

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