歳時記

昨日は空手の市民大会

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 昨日は、空手の佐倉市民大会があった。
 出場選手500名と県下有数の大会で、スタッフはてんてこ舞いだが、私が手伝うと邪魔になると思い、本部席に座って来賓の方と雑談。
 それでも、やはりくたびれるもので、
「いやあ、今日は疲れた」
 と言うと、愚妻が、
「座っていただけじゃないの」
 と毒づく。
 私の道場からも、保護者にお願いして補助役員を出しており、愚妻も手伝っていたからである。
 愚かな批判をたしなめようかと思ったが、ま、火に油をそそぐこともあるまい。
「賢夫は愚妻と争わず」である。
 それはそれとして、試合の結果を見ていて唸(うな)ったのは、道場で私の言うことを聞かないイタズラ小僧2人が好成績をあげていたことだ。
「こらッ、稽古しないと、試合ですってんころりと負けるゾ」
 私が声を張り上げても、
「負けるわけないじゃん」
 と、根拠のない自信を口にして、マジメに稽古しない子供たちである。
(試合でコロリと負ければ、いいクスリになるだろう)
 そう思っていたら、金メダルに銀メダル。
 これは困った。
「根拠のない自信」が、「根拠のある自信」になってしまうではないか。
 当分、マジメに稽古はしてくれまい。
 そんな一方で、なかなか結果が出せない子供たちや大人がいる。
 いま結果が出なくても、頑張って稽古を継続していれば、必ず結果はついてくる。
 私は、そのことを彼らにどう伝えていけばいいか。
 いろいろ考えさせられるのである。
 試合には当道場の支部の選手諸君も参加していたのだが、ふだん私と顔を合わすことがないということで、有志の方々から還暦のお祝いを頂戴した。
 古武道の棒を入れる特注の袋で、表の刺繍のほか、袋の裏地が赤。
 還暦の「赤」というか。
 立派すぎて、もったいなくて、普段は使えない。
「そうね、大事にしまっておけば」
 と愚妻は言いながら、
「還暦なんだから、調子に乗って稽古しないでよ」
 クギを刺すのを忘れないのである。
 そんなこんこんなの、楽しくもあわただしい一日であった。

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