昨日、親父と愚妻と私と、大学病院へ定期診察に出かけた。
三人そろって少し血圧が高めなので、その診察である。
で、病院の玄関を入ったときのこと。
親父と愚妻が、そそくさとマスクをかけ始めた。
愚妻が私の視線を感じて、
「インフルエンザの予防」
と答えて、
「あなたもマスクしたい?」
付け足しのように言ったので、
「いらん!」
親父も、私の不機嫌な視線を受けて、
「インフルになるといけん」
言い訳のようにつぶやく。
何がインフルだ。
「この歳じゃけん、いつ死んでもいい」
といつも嘯(うそぶ)いているのは誰だ。
人間は矛盾に満ちた生き物であることは、私自身が誰より承知しているが、やはり「言行一致」でなければ信用をなくすということについて、改めて考えた。
「言行一致」とは、いうまでもなく「言葉」と「行為」が一致することで、これを「信用」という。
いい換えれば、「言葉」がなければ、「行為」があろうとなかろうと、「信用」は傷つかないことになる。
だが、さらに観点を変えれば、「言葉」のない人間は、「行為」に保険を掛けていることになる。
つまり、言行の一致せざることに対する保険である。
こういう人間は信用できない。
以上のことから、「無言実行」は信用できず、「有言実行」をもって、私は相手を信用するのである。
「無言実行」と「有言実行」
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