歳時記

ああ、日本語の何と難しいことよ

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 モデルはなぜ、一直線上を歩くように腰を振りながらステージに出てくるのか。
 カッコいいから?
 じゃ、モデルのマネして街を歩けばいい。
「アホか」
 と笑われるだろう。
 エビちゃんのどこが素敵なのか。
 ただの〝微笑みマネキン〟じゃないか。
 報道ステーションの古舘伊知郎はしゃべりすぎだ。
 私はニュースを観たいのであって、古舘の能書きを聞きたいわけじゃない。
 とまァ、このところテレビを観ながら、私は悪態ばかりついている。
 よくない兆候だ。
 人間は、自分の将来に期待が持てなくなると、周囲や世間の悪口を言う。
 つまり無意識ではあるが、周囲や世間を貶(おとし)めれば、自分の評価が相対的に上がるような錯覚を起こすのである。
 歳を取るとガンコになり、ブツクサと周囲の悪口を言うようになるのは、そういう理由によると、私は考えている。
 だから、テレビに悪態をつく私はヤバイというわけである。
 以上の反省に立って、悪口も、悪態も、嫌味も封印。
 逆にホメることにした。
 モデル、歩き方がカッコいいねぇ。
 エビちゃん、素敵だよ。
 古舘伊知郎の解説を聞いていると、目からウロコだ。
 ついでに愚妻にも、
「キミは素敵だねェ」
 と言ったら、不機嫌になった。
 ホメ言葉も、受け取る相手によっては嫌味になるということを、私はこのとき再認識したのだった。
 悪口を言えば怒り、ホメれば不機嫌になる。
 日本語とは、かくも難しいものなのである。

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