歳時記

七夕伝説って、残酷な話じゃないか

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 今日は七夕である。
 今朝、愚妻が、
「笹の葉サラサラ」
 と口ずさんでいるので、そうと気がついた。
 娘から電話があり、孫たちが笹の葉に短冊をつけていると聞いたので、思わず「笹の葉サラサラ」が口をついて出たらしい。
 気がふれたのかと思ったが、そうではなく、ひと安心であった。
 周知のように、七夕は、おり姫星(織女星)と、ひこ星(牽牛星)が天の川をわたって会うことを許された年に1度の特別な日である。
 ロマンチックな気分になりそうだが、よくよく考えてみると、「七夕伝説」は本当は怖い話ではないか、と思うのである
 伝説のおこりは中国で、こんな話になっている。
 おり姫の父親で、星空を支配する天帝が、働き者のひこ星を見込んで、娘を嫁がせる。
 ところが、ふたりは朝から晩まで、ぺちゃくくちゃと天の川のほとりでおしゃべりばかり。ちっとも仕事をしない。
「こら、おまえたち。そろそろ仕事を始めたらどうだ」
 と、天帝が注意するが、
「はい、明日からやります」
 と口先ばかり。
 天帝はとうとう頭にきて、ふたりを引き離し、1年に1度、7月7日の夜だけ、天の川を渡って会うことを許したというわけである。
 これって、ロマンチックな話だろうか。
 この伝説が、「働かないことは悪である」とする儒教の影響を受けているにしろ、
「年に1度、会わせてやるからしっかり働け」
 というのはどうだろう。
 私たち夫婦の歳になれば、
「1年に1度といわないで、3年に1度でじゅうぶんです」
 ということになろうが、若い両星となれば残酷な話だろう。
 そこで、七夕伝説をどう受けとめるか。
「1年に1度をエサとして尻を叩く」
 と受けとめるか、
「仕事をおろそかにしてはならない」
 という〝箴言〟として読み解くか。
 あるいは、
「遊んでばかりいた報(むく)い」
 とするか。
 いずれにせよ、物語としては残酷な気がしないでもない。
 ノンキに、
「笹の葉サラサラ」
 と歌ってる場合ではないのだ。
 

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