歳時記

はや6月と嘆息しつつも……。

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「一夜明けてみてどうですか?」
 今朝、早々に編集長氏から電話。
 昨夜、酒席で盛り上がった執筆テーマについてどう思うか、という電話である。
「面白いね」
「でしょう。これは絶対にいけます。で、〆切、昨夜のスケジュールで大丈夫ですか?」
「そうだね」
 曖昧な返事に、
「本当に大丈夫なんですか?」
 編集長氏の声がとたんに険しくなり、
「もちろん大丈夫!」
 私は力強く返事をして電話を切った。
 今年も、はや6月。
(今日は昨日の続きであってはならない)
 と思いながらも、
(だけど、ジェットコースターじゃあるまいし、毎日がそうそう変わるわけもないしなァ)
 嘆息しつつ、今日も一日が始まった。
 嘆息するのは幸せな証拠だ。
 本当に苦しいときは、溜息さえ出ないものだ。
 自分にそう言い聞かせながら、溜まった原稿を書き始めた。

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