歳時記

痛風、おさまらず

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 足が痛い。
 右足の親指の付け根が、痛風で腫れあがっている。
 今日は都内で編集者と打ち合わせがあり、クルマを運転して出かけたので歩かないですんだのだが、それでもズキズキ痛んで難儀した。
 これはきっと〝伊達ステッキ〟をついて歩いた祟(たた)りかもしれない。
 4月2日のこのブログに書いたが、痛風の発作は〝伊達ステッキ〟をついてから始まったのである。
 が、しかし、である。
 私は肉も食べなければ、酒も飲まない。
 それなのに、なぜ痛風になってしまうのだろうか。
 痛風は食生活に原因がある。
 となれば、必然的に愚妻に問題があるということになるではないか。
「おい、おまえのおかげで、わしは痛風になったではないか」
 食生活について厳しく責任を追及すると、愚妻は平然と言い放った。
「私と同じものを食べていて、あなただけが痛風になったということは、あなた自身に原因があるということになるんじゃないの」
 まったく、ああいえばこういうで、屁理屈ばかりこねる。
 が、確かにそういう論理も成り立たなくはない。
 ならば、私はどうすればいいのだ。
 愚妻に問うと、
「さあね。自分で考えてちょうだいな」
 例によって〝時代劇チャンネル〟を見ながら、気のない声で言う。
 36年連れ添って、この捨てゼリフ。
 何はなくとも健康でいなければ、この先、私の人生はたいへん厳しいものになるだろうと、痛む足をなでながら、ひそかに決意したのだった。

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