歳時記

「早起き」に愚妻の嫌味

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朝四時起きである。
理由は三つ。

一つは、法務が遠方の場合、朝早く出かけるので、早起きを習慣にしておけば起床が楽になるだろうと思ってのこと。
二つ目は、早朝は用事がないので仕事ができること。
三つ目は健康にいいだろうと思ってのこと。

狙いどおりだ。
いまは早起きして、軽くストレッチと、空手の基本を軽くやっている。

だたし、早起きに誤算が一つあった。
愚妻が不機嫌になることだ。

「ちょっと、用もないのに朝からゴトゴトやらないでよ」

七時に起きてきて文句を言う。
毎朝七時、トーストを焼いて私に出すのが愚妻のルーチンなので、この時間には起きてくるのだ。

愚妻は文句を言うが、私としてはできるだけ音を立てないように気をつけている。
階下に降りてコーヒーを入れるときも、階段を抜き足差し足、泥棒の歩き方なのだ。
自室のドアを閉めるときも音がしないよう細心注意を払っている。

そう抗弁すると、
「ダメよ、ちゃんと聞こえているんだから」

そのくせ、夜の八時になると、
「ちょっと、定刻じゃないの」

二階に上がれと催促する。
そばに私がいると、お茶だ、菓子だ、ヨーグルトだとうるさいからである。

早く寝ろと急かしておいて、早起きすると文句を言う。

「矛盾しているではないか」
抗議すると、
「そんなことないわよ。ずっと寝ていればいいのよ」
聞く耳を持たず。

愚かな女だ。
文句を言わなくても、遠からず寝たきりになるか、延々と寝て目が醒めなくなるか、どちらかになる。
早起きして身体を動かせることこそ最高の幸せであることが、愚妻には通じないのである。

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