時間を見つけて『マック』へ出かけ、原稿を書いている。
捗(はかど)るのだ。
50代のころ、沖縄に毎月稽古に通っていたとき、羽田と那覇の空港ロビーで仕事をするとずいぶん捗ったものだ。
「衆人環視」という状況においてはダラダラできず、必然的に集中するからである。
『マック』もそれと同じなのだ。
ただ、困るのは何を注文するかだ。
私は商品名がわからない。
うしろに人が並んでいる。
あせって、
「こ、これ」
と、よくわからないままカウンターの商品写真を指さす。
分厚いハンバーガーで、値段も高い。
食べるのにも苦労する。
(何でこんなの注文したんだ)
後悔と腹立たしさである。
愚妻にそのことを言うと、
「ネットで調べて行けばいいじゃないの」
そういう手があったか。
で、本日は事前にネットで商品を検索して出かけたという次第。
気になるのは愚妻が積極的に『マック』行きを勧めることだ。
自宅にいないほうが、うるさくなくていいからだろう。
さらに。
ひと駅隣りに大きなイオンがあるのだが、今度はそこへ行ったらどうかと、『マック』から帰った私に言う。
「あそこは広いから一日中いられるわよ」
ニコニコ笑顔で「一日中」を強調する。
仕事は捗るだろうが、私としては心中複雑なのだ。