歳時記

猛暑のお参り

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連日の猛暑である。
私は汗をかくのは好きだ。
ただし、それはサウナや海など裸でのこと。
衣服をつけていて汗をかくのは大嫌いなのだ(みんなそうだと思うけど)。

だから法務で掛け持ちするとき、汗のことがいちばん気になる。

掛け持ちの法務であっても、我が家の近くを通るときはラッキーで、家に寄って素早くシャワーを浴び、パッパッと着替えて再出発。
昨日は掛け持ちの途中で二度自宅に寄り、二回着替えた。

ただし、時間に余裕がないため、自動車レースのピットインと同じで、愚妻に着替えを用意させておいて、家に寄るや時間との競争となる。

むろん、愚妻はイヤな顔をする。
「ほかのお坊さんも、あなたみたいにいちいちシャワーを浴びてお参りに出かけるのかしらねぇ」
「人は人、わしはわしだ」

愚妻に何と言われようと、汗で下着を重くして読経するより、はるかに気持ちがいいのだ。

問題は、我が家の近くを通らないとき。
下着から半襦袢、白衣まで一通り着替えを用意してはいくが、着替える場所がなければ、どうにもならない。

「暑い中、ご苦労様です」
施主やご遺族がねぎらってくださるが、
「ホンマ、暑いですね」
と言うわけにはいかず、
「いえいえ、とんでもございません」
笑顔で返事する。

「ウソつきは泥棒の始まり」
という言葉がよぎるのだ。

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