歳時記

愚妻の冷笑

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今日は頑張って4件のアポ。
都内を移動動するので、電車で出かけた。
さすがに疲れた。

私はやはりクルマで出かけ、用事は1件がいいようである。
だが、そうなると都内に出かける回数が多くなる。
それも困る。

だが、用事のほうでやってくる。
いい歳をして、あくせくしたくはないが、そうもいかないのが「憂き世」ということか。

もうひと踏ん張り、と自分に言い聞かせ、気力を振り絞る私のそばで、
「明日、日帰り温泉はどう? たまには朝の露天風呂もいいわよ」
と、愚妻が言う。

私のことを気づかってくれているのか。
嬉しく思ったら違った。
明日の26日は語呂合わせで「フロの日」で、日帰り温泉は割引料金なのだそうだ。

料金が安いから亭主に勧めるのか。
「わしは割引料金の日なんぞ、絶対に行かんぞ!」
憤然と言ったが、
「バカみたい」
愚妻が冷笑する。
およそ「ひと踏ん張り」とは程遠い女なのだ。

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