昨日は、佐倉市春季空手道大会。
当道場から50余名が出場し、それぞれ頑張ってくれた。
当道場のことしかわからないが、それぞれの大会で傾向があり、
「えっ、この子が?」
と予想外の子供たちが活躍する大会もあれば、
「やはり結果は稽古量に比例するな」
と納得する大会もある。
昨日の大会は後者で、頑張って稽古している子供たちが上位入賞した。
不条理な世の中ではあるが、やはり努力が報われるのを見ると嬉しくなってくる。
「うまくいかないのが人生」
というのが私の人生観でもあるが、子供のうちは努力することの大切さを教えたいと思っている。
成果は努力に正比例しないとしても、努力するというチャレンジ精神が何より大事なのではあるまいか。
足が遅いからといって走るのをやめれば、確実に後れをとる。
人生レースもしかり。
このことを、子供たちにどう伝えるか。
叱咤するか、やさしく話しかけるか、理屈で説くか。
釈迦は対機説法を用い、方便で説いたが、それは1対1の場合。
子供の性格は千差万別であり、努力する子もいればサボる子もいるし、高みをめざす子もいれば、ただ漫然と道場にやってくる子もいる。
こうした子供たちを前に努力やチャレンジ精神を説くのは容易ではない。
だから私は、漢字や諺を素材として話をする。
こうした素材によってワンクッション置くことで、それぞれが自分の立場で感じ取れるようにするためだ。
継続の大切を説くときは、
「石の上にも3年」
負けた子を奮起させるには、
「雨降って地固まる」
諺を放り投げ、意味を考えさせ、自由に発言させることで、みずからの気づきになってくれればいいと思っている。
これがもし、
「もっと稽古しなくてはダメだ」
と、直截に叱責調で説くと、必ず反発する。
反発しない子供は、
「そうだ、自分が悪いんだ」
と自分を責める。
どっちに転んでも、よい結果は得られない。
だから素材を放り投げて、あとは自分で考えさせるのがよいのではないかというのが、私の考えである。
むろん、どういう結論を子供たちが導き出すか、計算の上で。
空手指導の醍醐味は、技術を教えたり試合に勝たせることではなく、人間関係の真剣勝負にある。
子供は手強いのだ。
空手指導の醍醐味
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