昔から、私は外国人によく話しかけられる。
だから、地図を手にした外国人が歩いて来ると、
(ヤバ!)
と逃げ腰になるが、そういうときに限って、
「ペラペラペラ」
と何やら問いかけられるのである。
先日も、京浜急行の品川駅のキップ売り場で、リュックを背負った青い目の若い外人男性に話しかけられた。
「JR」「新宿」
という単語が聞き取れた。
「JRに乗って新宿駅に行きたいのだが、キップ売り場はここでいいのか?」
と問いかけているのだ(たぶん)。
JRのキップ自動販売機は階段を上がったところにある。
いきなり話しかけられたので、英語が浮かんでこない。
私は階段を指さして、咄嗟に言った。
「ステップアップ!」
「サンキュー!」
意味は立派に通じるのである。
会話はジェスチャー混じりだから意は通じるが、英文でやりとりとなると、そうはいかない。
私の本は、韓国や中国で何冊も訳されている。
ありがたいことだが、今朝、読者から英文でメールがきた。
返信をしなければならない。
「アップステップ!」
というわけにはいかない。
グローバル社会は、生きるに難儀するのである。
外国人は苦手である。
投稿日: