歳時記

「もう」と「まだ」

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新年を迎えて一週間が過ぎた。
「もう一週間」か「まだ一週間」か。

相場格言に『もうはまだなり、まだはもうなり』というのがある。

「もうそろそろ天井だろうと思った段階では、まだ高値が残っており、逆に、まだ高値がある思った段階では、もう天井を打っている」
という意味で、相場の変化に対して独善的な判断がいかに危険であるかを説いたものだ。

ならば相場を離れ、これを実生活で読み解くとどうなるか。

「決断に際して〝もうそろそろ〟という思いをいだいたときは、無意識に〝見切る理由〟や〝やめる理由〟をかき集めるものだから注意すべし」

反対に「まだまだ」という思いをいだいたときは、その逆になるということ。

つまり理由は後付けであり、人間は自分の決断に都合のいい理由を集めるというわけだ。

だから「もう」と思ったときは、「まだ」の視点から見直し、「まだ」と思ったときは「もう」の視点から見直すことが大事になる。

すなわち「もう」は「まだ」を写し鏡とし、「まだ」は「もう」をそれとすることで、的確な決断が下せるのである。

愚妻は天災の話が大好きなのでよく話題になる。
巨大地震は「もう来るか」「まだ来ないか」
昨夜もその話になった。

「来るかしら?」
「もうはまだ、まだはもう」
「どっちなのよ?」
「だから、もうはまだ、まだはもうだ」
「ちょっと、わからないって言えばいいでしょ!」

一刀両断。
身もフタもないことを言うのだ。

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